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ヴェルグリーズの風輔によるシングルピンナップクリスマス2023
ヴェルグリーズの風輔によるシングルピンナップクリスマス2023
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聖夜であってもローレットに仕事が舞い込んで来るものだ。今回の依頼はどうにも立て込んでいるようで、犯人の尻尾を掴んで欲しい。そう調査の依頼だった。
インバネスコートに身を包んだヴェルグリーズ。私は助手のようで、まるでホームズとワトソンだった。
幸いにも尾行相手は雑踏を行く。これならこちらも見つからないだろうが、相手を見失う可能性がある。
「こっちだよ」
ヴェルグリーズに手を引かれた。心臓が跳ねる。繋いだ手は暖かかった。イルミネーションが真昼のように明るく輝いていた。
「おっとごめん。とっさにしてしまったけど……嫌だったかな?」
ううん、嫌じゃないと返す。それよりもはやく追わなくちゃ!誤魔化すようにそう答える。
そんなひょうしにくしゃみをする。ああ格好悪い。こんなタイミングでくしゃみをするなんて。
「大丈夫かい?」
そう言ってコートを貸すヴェルグリーズ。ヴェルグリーズはキャメル色のニット姿になる。
「さあ行こう」
ヴェルグリーズは私を励ますように肩を叩き、微笑む。
ヴェルグリーズの背を追いかける。
私はすっかりヴェルグリーズとの調査を楽しんでいた。
※SS担当:7号