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ヴェルグリーズのうみちょすによるシングルピンナップクリスマス2023
ヴェルグリーズのうみちょすによるシングルピンナップクリスマス2023
イラストSS
シャイネンナハトの飾り付けは済んだ。残すところは意気揚々とケーキを迎えに行った家族を待つのみ。
ゆっくりしていてくださいね、なんて語った彼女は二人の子供を連れてケーキを取りに行ってしまった。仕方がないので家で待っているのだけれど、のんびりすると言ったって何もすることがない。
こんな日も悪くはないのだけれど。些かこの数年で人のいない生活は寂しいの色に染まってしまった。
遠くきゃらきゃらと聞こえる子供達の笑い声だとか、拗ねたような彼女のむくれた声だとか、色々。にゃあにゃあと鳴く猫達のぬくもりはいつだって変わらないものだけれど、それでもやっぱりキミが恋しい。
「これが父親なのかな」
「にゃーん」
「はは、キミもそう思う?」
「にゃあん」
「難しくはあるけどね」
「にゃおん……」
「もう少しだけ、頑張ってみるよ」
どのくらいの時間一緒に居られるかなんて誰にもわからない。けれどきっとその時間がヴェルグリーズにとっては短いものであることをどこかで知覚している。
けれど。だからこそ愛おしいのだ。この脆くも温かな日々が輝いて見えるのだ。
だからこそ、この輝かんばかりの夜に、共に居たいと願うのだ。
※SS担当:染