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『烙印』に因る仮想反転時の姿。
右首筋に刻まれし花の名は、牡丹一華。
身体の一部や翼に結晶侵蝕の影響が表れ、その翼の色も灰から完全なる黒へと染め上げられる。

さらに、自分の外見が通常時よりも"巻き戻った"。
繊細な真白の髪。橙と翠が入り混じった、歪な斑色の瞳。
其れは××に成り損なった在りし日の残骸。若しくは、雛鳥が辿るかもしれなかった『もしも』の一つ。



やがて幾日かが過ぎ、『月の王国』へ意志が溺れかけそうになった──そんな時だった。
一つの雨音によって、掬い上げられたのは。