PandoraPartyProject

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ヴァレーリヤ=ダニーロヴナ=マヤコフスカヤのあさぎあきらによるおまけイラスト

イラストSS

「空中庭園でお祭りですわ~~!」
「うんうん。こんな機会あんまりないしね! ざんげ君はマリ屋にも来ることが出来ないし今日は好きなだけ食べていっておくれよ!」
 にんまりと微笑んだのはマリアとヴァレーリヤだった。割烹着姿のヴァレーリヤに引き摺られて遣ってきたざんげは何時も通りぱちくりと瞬いている。
「なんでごぜーますか?」
「さあ、マリィ! 主賓を連れてきましたわよ!
 オーダーを……いえ、メニューを端から端まで全部揚げて下さいまし! お酒も全部出しましょう!」
「うんうん! まかせて! ヴァリューシャ! ざんげ君、食べてみて気に入ったものがあれば気軽に言っておくれよ!」
「……?」
 ざんげはぱちくりと瞬いた。無数の串を手にして気合十分のマリアをまじまじと見詰めてから「それはなんでごぜーますか?」と彼女はもう一度問う。
「何って串あげですわ!」
 ヴァレーリヤがにんまりと笑えば、他のイレギュラーズよりオーダーが入る。先程ざんげの為に全てを揚げると言ってしまったから――
「マリィ、追加のオーダーが入りましてよ! 私、ちょっと材料を取って来ますわね!」
「えっ、良いのかい? 有り難う! ヴァリューシャ!」
「勿論ですわッどわああああ!?」
「ヴァ、ヴァリューシャ!? あっ、零れた油で滑ったんだ! 大丈夫かい!?」
「え、ええ……そこのウィスキーを飲めば痛みなんて何処かに行ってしまいますもの!」
 ざんげはそんな二人を見詰めながら「それでいいのか?」と言いたげに首を傾げた。
 いや、そもそも何が正解であるかをざんげは良く知らないのだが、串揚げを無尽蔵に揚げ続け酒を呷りながら油の相手をするのは一般的に――一般的な観点での判断をざんげが得意として居るわけじゃないが聞き及んでいる限りでは――危険なのではなかろうか。
「さあ、ざんげ好きなだけ食べて下さいまし! もう一巡行きますこと!?」
「そんなに揚げられても困るでごぜーますが」
「あら、食べられませんこと!? 私の串揚げが!?」
「いえ」
「あはは、ヴァリューシャ、屹度熱いんだよ。冷ましてからにしようか!」
「いえ」
「ああ、そうですわね。所でマリィ、油を換えた方がよろしくなくって?」
「あ、本当だね」
「ところで、串を揚げた後の油って、このまま地上に捨ててしまって良いんですの?」」
 空か油が危うく振ることになるのだが――ざんげは「どうしよう」と言いたげにイレギュラーズ達を振り返ったのであった。


 *SS担当:夏あかね

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