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2人輝く聖夜に
2人輝く聖夜に
イラストSS
何がどうしてこうなったのか、思い返したところでこのミニスカサンタから逃れられるわけではあるまい。
ならば折角の機会、楽しめるものはとことん楽しんでしまえば良いのである。
裾が短かったり、布面積が短かったりするのはやっぱり最初の話とは違うような気もするけれど。
(……それに、シキは楽しそうだし)
最初こそ恥ずかしかったけれども、シキがにこにこ笑っているのだからプラマイゼロ。いや、プラスか。
折角のお揃いだし。折角雑誌に乗せてもらえることになったんだし。
「リウィルディア?」
「なぁに、シキ」
「んふふ、やっぱり君はかわいいよ、リウィルディア!」
「……突然だなぁ、もう」
溌剌とした笑顔。とびきり楽しいのだと疑わせない声。
そのどれもが、今はただ自分のために注がれている。
(まったく……)
だから、せめて今だけは楽しみたい。
君が抱えた痛みを。悩みを。まだ僕は知らないけど。
「シキだってとびきり可愛いんだから。ほら、笑って?」
「はぁい、じゃあリウィルディアも!」
「解ったから、ふふ」
煌めくアクアマリンが、どうか曇りませんように。それから。
また来年も、この輝かんばかりの夜に、ふたりで笑い合うことが出来ますように――
※SS担当者:染