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郷田 京のゆうずきによる2人ピンナップクリスマス2022
郷田 京のゆうずきによる2人ピンナップクリスマス2022
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練達。シャインネンナハトの時期は、この国も浮かれるものだ。
異世界の者が多いこの国ではむしろ『クリスマス』という名称の方が一般的だろうか。いずれにせよ、あちらこちらでそれらしい雰囲気が漂っている――その中で。
「京、大丈夫かい? どこか緊張しているように見えるが」
「え、は、はは。そうかな? いやいやそんな事はないよ、うん、大丈夫」
ギルオスと京はホテルで食事を楽しんでいた。
ギルオスはスーツを。そして京はいつもの服装ではなくパーティドレスを着込んでいる。
肌が出ている所も多いが、全体的には上品な印象だ――美しい紫色が目を惹こうか。
……窓の方を見据えれば、上層なのだろうか。美しい夜景も見える。
だが京にとっては目前のギルオスしか見えない。
「僕もこういう、ドレスコードがある所は慣れてなくてね」
「そ、そうなんだ? ギルオスさん落ち着いてるから、何度も来てるのかと……」
「はは。全然そう言う訳じゃないよ、粗相をしたらどうしようかと心臓バクバクだ」
ホントだろうか? そう言う割りには随分落ち着いてるように見える。
もしかしたら京を気遣っての発言かもしれないと――なんとなし京は思うものだ。
あぁ、ただ。それよりも。
赤くなっている頬に気付かれるだろうか。
耳まで熱に染まりそうだ。待って待ってもう少しだけ落ち着かせてと、彼女は願う。
二人きりのクリスマス――だからこそ願おう。
この愛しい時間を今少しと……