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イラスト詳細

レイリー=シュタインのk子による3人ピンナップクリスマス2022

作者 k子
人物 レイリー=シュタイン
天之空・ミーナ
アイリス・アニェラ・クラリッサ
イラスト種別 3人ピンナップクリスマス2022(サイズアップ)
納品日 2022年12月24日

7  

イラストSS

 シャイネンナハトの海洋の洋上。街並みは遠く、クルーザーは海を行く。太陽は沈みかけて水面に反射し、黄金に輝く。波打つ海面がきらきらとまたたき、冷たい潮風が頬をなでる。
 もう少し厚着してきてもよかったか、とミーナは思う。隣のアイリスも少し寒そうだ。腕を露出したレイリーは平気そうで、鉄騎種だということを思い出させる。アイリス、レイリーはミーナの『お嫁さん』だ。つまりは3人でデートということになる。
 レイリーは手にしたシャンパンを口にする。ミーナの手にはオレンジジュースが。アイリスは先程サイダーを飲み干したばかりだ。左手でグラスを持ち、右手で飲み干す。アイリスの口は人間の箇所にひとつ、両手にひとつずつあった。彼女の手から伸びるのは舌である。

「綺麗ですね〜」
 長い髪をなびかせてアイリスが言う。それにレイリーが呼応する。
「綺麗よね」
「流石の私も綺麗だと思うぜ」
 ミーナも率直な感想を漏らす。気だるげで素直じゃないミーナが称賛するのは珍しい。レイリーの目から見てもミーナが夕日に感動しているのがわかる。
「ミーナのそういうとこかわいいと思う」
 レイリーが言う。
「そうかあ……?」
 ミーナが何のことやらと言いたげに返す。
「うん、そういうとこもかわいい」

 そんなやり取りを見てアイリスが微笑む。
「私もこういう時間好きです。皆とのんびり出来て嬉しいです」
 アイリスも嬉しそうでミーナも「まあ、そう言うんなら」と諦めた。アイリスが言葉を続ける。
「こういう時間って永遠にも感じられて、ずっと続くといいなって思うのに過ぎてみれば一瞬で。楽しいのにちょっと寂しいです」
 アイリスが目を細めて遠くを眺める。
「うん、だからこそまた明日からがんばろうって思える。わたしはこの日常を護りたいって思うわ」
 レイリーが守護盾としての信念を口にする。
「ま、私は私に出来ることをやるだけさ」
 ミーナが軽く答えるが彼女は有事になれば全力を尽くすだろう。アイリスもレイリーもそれを知っていた。

「そういえばお腹が空きました〜」
 アイリスのお腹がきゅうと鳴る。ミーナが応える。
「相変わらず食いしん坊だな。確かサラミがあったはずだ」
「中に入って何かつまもう。わたしも食べたい」
 和気あいあいとしながら三人はクルーザーの中へ。日はすっかり沈んでしまい夜になりかけていたがミーナは日が沈んだ方角を振り向く。

「……太陽がまた昇り続けるのを守りたい。そのためなら私は」

 ※SS担当者:7号

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