イラスト詳細
ジルーシャ・グレイの八十一鱗による2人ピンナップクリスマス2022
ジルーシャ・グレイの八十一鱗による2人ピンナップクリスマス2022
イラストSS
嫋やかな光の海の中を彼女が歩いている。
鮮やかな紅色をまとう彼女は「まるで私はシャイネンナハトのカラーリングを纏って居るみたいでしょう」と揶揄うように微笑んだ。
「アンタがサンタクロースだったら何を貰おうかしら?」と同じように悪戯めいてはにかむジルーシャにプルーは可笑しそうに微笑んで。
「あら、何か貰いたいの?」
「さあ……ん、ほら、プルーちゃん、雪が積もってきているわ?」
下ろした前髪に被さった雪を指先で払えば、彼女の長い睫を彩るように白雪が被さった。
メイクが崩れてしまいそうだとやや幼い仕草で瞬くプルーの様子に「じっとしていて?」とジルーシャは囁いて。
ハンカチーフで髪を撫でてから瞼を閉じてと合図を一つ。
雪の重みで閉じた瞼に気付いてからジルーシャはそっと唇を寄せた。
瞼に触れたのはハンカチーフだと気付かないふりをして欲しい。ああ、けれど、それも難しい事かしら――
「ジルーシャ?」
呼ぶ彼女から離れてから、ハンカチで改めて瞼の辺りを掬って「ほら、とれたわよ」とぎこちなく微笑んだ。
「有り難う」
「いーえ、それにしたって、凄い雪ね。雪にイルミネーションが反射して綺麗だけれど……ビックリしちゃう」
そそくさと顔を逸らせるジルーシャの背中を追掛けてプルーは小さく笑う。
ええ、そうね。
けれど知っている――? 瞼に感じたのはハンカチなんかじゃ無かったわ。だって、暖かかったもの。
*SS担当:夏あかね