イラスト詳細
ウルズ・ウィムフォクシーの奏多によるおまけイラスト
ウルズ・ウィムフォクシーの奏多によるおまけイラスト
イラストSS
「シャイネンナハト発売のワインの宣材写真?」
執政官がウルズの元を訪れた。
領主という自覚がないウルズは彼に『イロイロ』丸投げをしていたのだが今回はワインの話の様だ。準備は大方終わっているが、宣材写真だけがまだなのでモデルになってもらえないか、という彼にウルズは二つ返事で了承した。
「おー、宣材写真くらいなら良いっすよー」
「ありがとうございます、それで新商品の名称についてですが……お決まりになりましたか?」
「え、アレってあたしが……」
まで、言ったところで目の前の執政官の負のオーラが強くなったことを悟り黙る。
普段物静かな人ほど怒ると怖いのだ。
執政官から件のワインを渡され、愛用のグラスへ注いだ。
舌の上で転がすと深い味わい。まるで人生の苦みを再現したかの様な味。
「……名前、決まったっすペルデルティエっす」
撮影当日、女性の憧れである純白のドレスにワイングラスを傾けた。
穢れ一つなかった想いを塗りつぶす様に、赤がだんだん広がっていく。
『死ぬのは簡単。忘れるのは難しい』
詩人の言葉が残酷に突き刺さる。
想い人だった……否、本当は今でも好きな人を忘れることなど出来やしないのだから。
※SS担当者:白