イラストSS

「これを着て手伝ってください！」
　そう言って手渡されたのは、クリスマスカラーのバニーガール衣装だった。それもかなり際どい。
「ぼ、ボクもこんな商品だなんて知らなかったんだよ！」
「くっ……でも、ラサの為なら仕方ない、のかしら……」
「うんうん。ほら、これもラサのためになることだよ、エルスちゃん！　きっと、たぶん、おそらく……」
「いや、待って？　あの方、そもそもそこまで露出好きじゃないみたいだし、ここまで身体はらなくても？？
　ね、焔さんこの話……断れそうに、ない、わよ……ね…………」
「もう、衣装も商品も受け取っちゃったから……が、頑張って売り切っちゃおう！」
　焔とエルスはバニーガール衣装に着替えると、早速在庫処分するために呼び込みを始めた。
「特別なシャイネン・ナハトを貴方に！　只今セール中で、お安くなってるよ！」
「う、うぅ……い、いかがです、か……？」
　流石に、焔も初めは恥ずかしそうにしていた。しかし、こういった依頼を受けることは少なくなかったためか、ある程度時が経つと平然と接客応対していた。慣れとは恐ろしいものである。逆にエルスはどうしても慣れることができず、顔を赤らめながらも、時々くるりと回りながら自身が着ている商品の紹介をする。
　その様子を遠くから見ていた依頼人は、満足そうに頷きながら呟いた。
「彼女たちに任せて良かった――色々な意味で」

　※SS担当者：萩野千鳥