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ブランシュ=エルフレーム=リアルトのみずうみによる2人ピンナップクリスマス2022
ブランシュ=エルフレーム=リアルトのみずうみによる2人ピンナップクリスマス2022
イラストSS
それは雪の降る、未だ冷たい教会でのことだった。
オルガンの音色にあわせ歌う少女の姿がある。革命の象徴、アミナ。
クラースナヤ・ズヴェズダーに身を置いていれば彼女を知らぬ者は今やない。
そして彼女が歌う聖歌もまた、よく知られるものであった。
ブランシュはついその一説を口ずさみ……その声が聞こえたのだろう。アミナは歌をやめてそちらを見た。
「ブランシュさん。早かったですね」
「そうでしょうか。同志アミナ……」
時計を見やると、確かに早い。五分前行動と呼ぶには急ぎすぎな程度だ。
ブランシュは照れ笑いを浮かべ、『気が急いてしまって』と小声で言った。
後ろで扉が開閉する音がして、二人分の足音が続いた。
ブランシュが振り返ると、ヴァレーリヤとヴァルフォロメイの姿。
そしてヴァルフォロメイの手には、赤いロザリオが握られていた。
ヴァルフォロメイの首に掛かっているものと同じであり、アミナとヴァレーリヤの首にもまた同じものがかかっている。
そして今更ながら、ブランシュの服装はアミナたちと同じものであった。
そのロザリオの一点を覗いて。
「祈りを」
ヴァレーリヤが口にすると、ブランシュは膝をつき手を合わせ、祈りを捧げた。
聖句を唱える。
そんな彼女の首に、赤いロザリオがかけられた。
「……『同志ブランシュ』、これからもよろしくお願いします」
そう、アミナは優しく微笑みかけたのだった。
※SS担当:黒筆墨汁