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ヒィロ=エヒトの湯葉まるによる2人ピンナップクリスマス2022
ヒィロ=エヒトの湯葉まるによる2人ピンナップクリスマス2022
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――ずっとずっとずっと、欲しかったの。
果たして其れはどちらの言葉だったのだろうか。
ヒィロの人生は決して明るいものではなく。
美咲の心もまた、澄み渡っている訳ではない。
けれど、今はただ、互いに欲しくて、互いが欲しくてたまらない。
唇をそっと重ねれば、お互いの紅の色が交じり合う、
ヒィロは背筋を這い上がるような快楽を感じていた。
自分の人生を受け入れて、隣にいてくれる美咲さん。大好き、大好き、大好き。余りにも盲目的で縋りつくような愛は、留まる事を知らない。
二度目に唇を重ねれば、温度が僅かに違うのが判る。
美咲は其れが許せなくて、もう一度と唇を強引に重ねた。
長く二人で過ごしてきた。其れは美咲にとっては長い長い準備期間だった。
旅人としてこの世界に呼ばれ、孤独であった美咲にとって、ヒィロは生きる意味そのものだ。
――私に染まって
――うん
――私の色に染まって
――うん
パーティから抜け出して部屋に入ったら、もう二人は我慢なんてしない。
何度も何度も口付けを交わし合いながら、二人の唇は同じ色に、同じ温度になって行く。
そうしてやがて――唇だけでは足りないと、二人は互いに掌を重ね合わせるのだった。
※SS担当者:奇古譚