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回言 世界のなあのりしによるおまけイラスト
回言 世界のなあのりしによるおまけイラスト
イラストSS
何時も通りの静かな境界図書館で世界とクレカは向かい合っていた。
テーブルにはシャイネンナハトを思わせるアフタヌーンティーセット。季節感を考えて世界はクレカにもサンタクロースの帽子を手渡した。ちょこんと頭に乗せて無言の儘で本を読む彼女を見て世界は思い悩む。
思い返せば2年前から彼女とは同じように過ごしている。
紅茶を淹れてちょっとした茶菓子を準備する。テーブルには積読(つんどく)を設置し、思うがままに本を貪るだけ。
確かに、それも楽しい。クレカも満足しているだろうし、世界自身もそれで良いとは思って居る。
思っていったが――どうにも同じ事の繰り返しばかりでは飽きが来る気がしたのだ。
「楽しいか」
一応、問うた。
「うん」
端的に返事が来て世界は更に思い悩む。表情が余り変わらないクレカは『人形めいた』愛らしさを有している。
だが、それ故に詰まらないのか満足しているのかさえ分からないのだ。折角のシャイネンナハトだから『それっぽい』事を更にするべきか――誘わなければ彼女は同意しないであろう部分も更に言えば問題なのだが。
「他に何かしてみるか」
「……何か、ある?」
さて、困ったと世界は更に頭を悩ませたのだった。
SS担当:夏あかね