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天目 錬の薬師りぃとによる2人ピンナップクリスマス2022
天目 錬の薬師りぃとによる2人ピンナップクリスマス2022
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「たのもーーう!」
勢い良く扉を叩いた錬の声に、頭痛を堪えたような顔をしてシュペルは「何だ!」と返した。
返事があるだけ上々だ。錬は「スノードームを作った!」と言い放つ。はて、スノードームとは何であったか。
シュペルの実に気難しい表情を想像してから錬はゆったりとした笑みを浮かべる。
「一ヶ月を掛けて作成したスノードームだ。出来映えを見て欲しい」
「どうして小生が?」
「シュペルに劣らぬマジックアイテムを作れたはずだ」
「……」
「直ぐに作れるだろう? このスノードームには魔術式を込めてある。その性能を確認して貰いたい!」
シュペルは黙りこくった。本人に言わせれば『舐められたものだな』と言った様子である。
イレギュラーズがタワーを気軽に訪れるようになった。そして強行突破してくることさえ多くなった――が。
シュペルは暫くの返答を遅らせてから「入れ」とだけ短く返した。
ゆっくりと顔を覗かせた錬は驚愕する。テーブルには輝くスノードームと「これでいいのだろう」と言いたげに焼けに自信満々な表情をしたシュペルが据わっていたからだ。
「むむむ……先はまだ遠いか」
「当然だな。小生に並ぼうなど、定命には過ぎたる目標だぞ?」
鼻を鳴らして笑ったシュペルに「次は負けない」と錬は十分たるやる気を滲ませたのであった。
*SS担当:夏あかね