イラストSS

　白い壁紙に優しいブラウンの木目調家具を基調としたキッチン。
　メインの七面鳥は大きなオーブンレンジでくるくる踊って、仕上がりを待つばかり。
　そこでアリスとノルンの二人はシャイネンナハトを彩る御馳走を作っていた。
　素敵な夜の優しい招待状とも言うべきシチューの入った鍋を前にアリスが一匙、ノルンへ差し向ける。
　味見として向けられたスプーンとアリスの笑顔にノルンは気恥ずかしさで頬を赤くさせる。
　それでも嬉しさが勝って、その真白い手をそっと支えてシチューを口に含む。
「うん、美味しい…です……。細かく刻んで入れたベーコンが良かったのかもです」
「…良かった……！」
　アリスはノルンの言葉にとても嬉しそうに安堵してコンロの火を止める。
　それを見届けたノルンもテーブルに絵皿をセッティングしていく。
　　そこへ、オーブンレンジが終わった合図を出す。
「あっ……」
「七面鳥は僕に任せてください」
　皿とグラスを並べ終えたノルンが大皿に七面鳥を盛っていく。
　アリスはノルンに礼を告げてシチューの鍋を鍋敷きの上へ置いた。
　そして二人はいそいそと席に着き、ささやかなシャイネンナハトのお家デートを楽しんだ。

　※SS担当者：桜蝶京嵐