イラスト詳細
恋屍・愛無のmochiによるおまけイラスト
恋屍・愛無のmochiによるおまけイラスト
イラストSS
「あの子、可愛くないですか?」
水槽を指差す水夜子の背後から覗き込んでから「ああ、愛らしいな」と愛無は頷いた。
実に人間らしいクリスマスの過ごし方だと愛無は感じていた。嬉しそうに水槽を眺める彼女の傍で、心を躍らせるのだ。
「水夜子君は、魚は好きなのだろうか」
「ええ。水族館というのは実に心穏やかになりますね。照明が暗いというのもありますが、水は心を落ち着かせます。
人間は母の羊水に浮かび、抱かれて過ごしていたのですから生誕後も水に惹かれるのは当たり前なのかもしれませんが」
何時ものように饒舌な水夜子に愛無は頷いた。
そんな蘊蓄を抜きにしたって、きっと彼女は魚を愛でて楽しむのだ。
そんな少女らしい様子を見られただけでも実に喜ばしい。
「水夜子君の子供の頃はきっと愛らしかったのだろうな」
「あら、私は今も愛らしいですが」
「知っているけれど、子供時代が気になるのだって理解しやすい感情だろう?」
「ええ、勿論。私の愛らしさが見たかったというのは当たり前の感情ですね。だって、愛無さんは私が大好きですから」
そうでしょうと囁く彼女に「そうだ、僕はらぶりーぷりちーな水夜子君を『推してる』んだ」と頷いた。
相変わらずな彼女に揶揄われてばかり。
けれどもそれも悪くはない。
*SS担当:夏あかね