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華蓮・ナーサリー・瑞稀の流聖飛鳥による2人ピンナップクリスマス2022
華蓮・ナーサリー・瑞稀の流聖飛鳥による2人ピンナップクリスマス2022
イラストSS
●大人なのだわ?
「……」
「……………」
「……むう」
「どうしたの。そんなにむくれて」
耳元をくすぐるからかうようなバリトンに、華蓮・ナーサリー・瑞稀は尚更に唇を尖らせるだけだった。相手は百戦錬磨、そういった手管に甲斐性が売るほどあって困る程のレオン・ドナーツ・バルトロメイである。繰り返したデートの主導権が相手にあるのは仕方ない。
それでも何でも。
「何だかやっぱり子供扱いされている気がするのだわ!」
レディとしてはどうしてもそればかりは納得いかない。
お洒落なバーでお酒を飲んで、それでもレオンは壊れ物でも扱うかのように酷く丁寧に自分に接しているのが分かるのだ。
……いや、優しいのが悪いとは言わない。
彼の『普通』がそんな風であるのなら、華蓮はさぞかし瞳を輝かせている事だろう。
「でも、違うのだわ」
「違うって」
「レオンさんは適当でいい加減で女性に対して手が早くてその時の気分で割と滅茶苦茶する人なのだわ。意地悪をしてからかって涙目にさせてまた弄って……上げて落として落として落として上げるような人なのだわ!」
とびきりの御洒落をした華蓮はそんな風に抗議する。
全くこの人は自分を大人扱いしていない。
出会った時のような子供ではないのに。お酒だって飲めるのに!
一気にグラスを煽った華蓮にレオンは困った顔をする。
「申し開きはあるのだわ?」
「いや、実際無いんだけど」
「……無いんだけど?」
「オマエ、酔ってるだろ」
「酔ってないのだわ!!!」
酔っぱらいは何時もそんな風に云う――