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リースヒースの死体66によるおまけイラスト
リースヒースの死体66によるおまけイラスト
イラストSS
――静かに、眠っている。
いや、物思いに耽っているのかもしれないし、
或いは――其の命を散らしたのかもしれない。
いずれにせよ其の佳人は、余りにも美しく水の中を揺蕩っていた。
まるで一枚の絵画のようだった。水は静かに其の髪を抱き、佳人を包み込んでいる。
何の花だろうか。美しく咲いた花は誰かが手向けに散らしたかのように咲き誇り、砂時計が傾き、其の動きを止めている。
唇は赤い。だから、死よりもきっと美しいという想いの方が勝るのだろう。
蝶がひらり、舞う。
大きく美しい蝶には、肉を食べるものもいるのだという。
彼らは美しさに惹かれて来たのか、其れとも死肉を喰らいに来たのか。
ドレスの裾が水の中に揺れている。余りにも“静かな”風景の中で、ドレスの裾だけが、まるで彼の生を示すかのように揺れていた。
冬の空は曇り、重苦しい。
彼は――或いは彼女は――リースヒースは。ただ、空を見上げている。
湖の中で、喪服とも婚礼衣装とも取れぬ衣服を揺蕩わせながら。
※SS担当者:奇古譚