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夢見 ルル家の流聖飛鳥による2人ピンナップクリスマス2022
夢見 ルル家の流聖飛鳥による2人ピンナップクリスマス2022
イラストSS
頬に触れるルル家の唇に目を見開く。
柔らかくて温かいなんて冷静な感想を覚えたのは後になってからだ。
その時は驚きの方が感情の大半を占めていて、それどころではなかった。
ルル家のことは好きだ。
闇に堕ちそうになった時、手を伸ばし傍にいてくれた命の恩人だ。
側仕えとしてもよく働いてくれている。
何より、背を預けられる親友であった。
忠継と安奈のような気の置けない関係は心地よいものであったから。
けれど、ルル家は自分に男女の恋愛を求めるのだ。
正直な所、とても冷静ではいられなかった。
こういうとき確りと受け止められる大人になりたいと思うのに。
もし、突き放してしまえばルル家は悲しんでしまうだろう。
涙を見せるかも知れない。それを見るのは嫌なのだ。
大切で大事な人。背を預けられる親友。
そんな彼女を悲しませるのは苦しかった。
むず痒く、恥ずかしい気持ちとごちゃ混ぜになって胸の中が混沌としている。
時が経てば、この混濁した感情の整理がつくのだろうか。
恋愛とはこんなにも難しいものなのだと降り注ぐ聖夜の星を見上げる。
ただ一つ願うならば、明日もルル家の笑顔を見たいと思うのだ。
※担当:もみじ