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夢魔の聖夜
夢魔の聖夜
イラストSS
シャイネンナハト、前夜。
輝かしいネオンから隠れるような、人気のない路地裏にて。二人の夢魔は愛を捧げ合っていた。
懸命に抱き着いて、深い口付けを求めるものの――豊かすぎる胸が邪魔をして、唇が届かない。リカは夢魔特有の長い舌を伸ばすものの、それでも舌先が交わるだけで。
唾液が銀糸となって糸を引き、ぬらりと淫靡な光を放った。押し付けられる胸の熱い体温で、お互いの気持ちが同じことだけは、はっきり分かるのに。蠱惑的な甘い香りがさらに焦ったさを増幅させる。腹部の刻印もが、徐々に熱を持つのを自覚した。
「ん、っ……クーア……」
「リカ……!」
クーアは欲求のままに舌を伸ばす。人間ではありえないその長さに、リカの表情がぴくりと動く。どうやら彼女はリカが想像していたよりも早く、夢魔の身体に近づいて――。
リカの目の前で、クーアは笑みを浮かべた。彼女の疑問に答えるように、人ならざる艶美を宿しながら。
「――これから、教えてあげますよ」
「言った、わねっ――?」
夜が近づく。夢に溺れるような一時が。
熱く、熱く。熔け合うように――。
※SS担当者:梢