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色を喪った世界へ共に『堕ちる』
色を喪った世界へ共に『堕ちる』
イラストSS
「ねぇ……いいわよね?」
「……ああ」
妖艶な声に、ぶっきらぼうな声が重なる。
シャイネンナハトの深夜の刻……背の高い窓から柔らかい光が差し込むサンクチュアリは、二人だけの聖域。
横たわるレイチェル=ヨハンナ=ベルンシュタインに、まるで空から訪れたかの様に飛来せしメリーノ・アリテンシア。
微睡みの中に映るメリーノの表情は怪しく微笑み、そして柔らかい光を背にした彼女の腕は、ヨハンナの頚元にすっ、と触れる。
……戦いの時であれば、頚元を取られようとすればされないように抵抗するだろう。
でも、眼前の彼女は愛すべき者……彼女の求めを否定する事等あり得ない。
そして……。
「ふふ……ありがとう……レイチェルちゃん」
「……ん……」
メリーノは微笑み掛けると、目を閉じるレイチェル。
そしてメリーノの唇は、ヨハンナの唇……ではなく、その額へ。
「おい……こっちじゃなくていいのか?」
とレイチェルが揶揄うように問い掛けるが、メリーノは。
「ふふ……そこは、まだ。おともだち、を超えたら……ね?」
悪戯好きな子供のように笑うメリーノに、ヨハンナはふふっ、と笑う。
そしてメリーノは……ヨハンナに重なり合う様に、身を寄せ合った。
※SS担当者:緋月燕