イラストSS

　ネオ・フロンティア海洋王国に来たクィニーとまろう。
　もちろん、海洋王国の　Scheinen Nacht（シャイネン・ナハト）を見るためだ。
　小さな貝殻から大きな巻き貝が光り、珊瑚の様な木々に海のモノがこの日の為にディープシーの手によって、海の中に居るかの様に錯覚する程に美しく装飾されていた。
「きれーだね……」
　と、囁きながらクィニーはまろうに寄り添う。
「ああ……本当に綺麗ですね」
　こくりと頷きながら二人はイルミネーションを見上げた。
　まろうは、家庭内社畜だったのでシャイネン・ナハトを祝うのが実は初めて。
「ええ、ええ。QZさまとこんなに素敵な物を見ることができて、なんて素敵な夜なのでょう」
　潮の香り、海の波打つ音が心地がいいと思いながら瞳を閉じるまろう。
「このまま、いま目に見えるもの全部、独り占めしたいな」
　と、呟きながらクィニーはまろうに視線を真っ直ぐに向けた。
「ふふふ、QZさまは欲張りですね。でも、私もです」
　まろうは、クィニーを見つめ返しながらそっと両手で頬を包むと、こつんと額を合わせると無邪気に微笑んだ。

　だから、もっと欲張って良いんですよ？

　サンタが叶えてくれるハズだから……