イラストSS

　ふわふわと海底を漂いながらメリルは楽し気に笑う。
「んーどれを飾ろうー」
　海の中でもシャイネン・ナハトは大盛り上がりだ。海藻を飾り、もみの木に見立てた小さな飾りをメリルはツンと突く。
　貝殻に珊瑚、飾られたすべてはどれもメリルにとっては馴染み深いもので。折角のシャイネン・ナハトだ。愉しまなくては損ではないかと心は踊る。
「ツリーにサンゴを飾るのもいいねー？　あ、でも、貝殻をリボンみたいに飾るのだって可愛いかも！」
　すとん、と腰を下ろし様々な海の仲間達を宛がってゆく。
　さあ、どれが良いだろうと瞳の中で星を煌めかせたメリルははっと思いついたように立ち上がった。
「そうだ！　ツリーの上には星が飾ってあるんだよ！」
　人間にあこがれるヒトデ少女は思いつく。ヒトデは星に似ているから――海の中で漂う星を今日はてっぺんに飾るのだっていいだろう。
「トップスターがヒトデだっていいじゃない！それー！」
　きらりと輝く事はないけれど、てっぺんに飾られたヒトデは何処か恥ずかしそうに揺れている。
　海の中でシャイネン・ナハトを楽しもう――ほら、まだまだ始まったばかり！