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秘技サプライズ返し!
秘技サプライズ返し!
イラストSS
シャイネンナハトの夜が明けていく。
雪降る道を、街路樹を眺めながらコユキア ボタンは歩いていた。
両手を腰の後ろでゆるく組んで、裾の長いドレスをふわふわとさせながら。
雪のうっすらと積もった、道に引きずらないかと思えるほどのドレスだったが、不思議なことにその先端すら地面に触れることはない。雪解けた空のような、あるいは雪解け水の流れた川のように澄んだ彼女そのものを体現しているかのように。
コツン、と足音がする。
自分のものではない。
振り返ると、雪の積もったベンチがあった。誰か座っているわけでもない。
が、そこには赤い円柱型のプレゼントボックスがぽつんと置かれている。上に雪が積もっていないところから察するに、ここに置かれてすぐなのだろう。
気になって歩み寄った、その時。
ぽんっと近くの雪山がはぜた。
はぜたというか、崩れたというか、より端的に言えば中から眞田が飛び出し、『ばあ』と言ったのだ。
「びっくりした!? はい、プレゼント!」
文字通りのサプライズで、眞田はベンチの上に置いていたプレゼントボックスを指しだした。
――輝かんばかりの、この夜に!
担当GM:黒筆墨汁