イラストSS

　カランカランカラン。
　扉を開けるとチャイムが小さく鳴る。心地よい音を耳にしながら1歩を踏み出せば、さくりと雪の踏みしめられる音が静かに響いた。
　さく、さく、さく。音と足跡は2人分。
「良いお酒と材料が買えて良かったですわね、マリィ！」
　ほくほく顔のヴァレーリヤ＝ダニーロヴナ＝マヤコフスカヤ（p3p001837）。その足がほんの少し滑りそうになって、マリア・レイシス（p3p006685）が危なげなく腰を支える。
「大丈夫かい？」
　支えた手は、次滑っても大丈夫なようにヴァレーリヤのそれと搦めて。視線を交わして2人は温かな笑みを浮かべた。
　降り注ぐ雪だって、2人にあてられて溶けてしまいそう。だって、お互いがいれば寒さなんて感じないと言わんばかりに笑うから。
「帰ったらいっぱいお祝いしようね。君の誕生日と、シャイネンナハトで2倍だよ！」
「まあ！　今年も良いシャイネン・ナハトになりそうですわ。マリィにとっても、良い日にしなくてはね？」
　祝ってもらえるヴァレーリヤにとっては良き日にならないはずもないけれど。愛する彼女にだって、今日という日が幸せであってほしいのだ。
「ふふ、ヴァリューシャがいればいつだって良い日だよ！」
「いつもよりもさらに、ですわ！」
　雪降る空に、楽しそうな声を響かせて。


　※SS担当者：愁