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輝く夜に雪化粧
輝く夜に雪化粧
イラストSS
「おや、雪ですねえ」
ヴァイオレット・ホロウウォーカー(p3p007470)の言葉に小金井・正純(p3p008000)も空を見上げれば、ちらほらと白い結晶が舞い降りてきていた。
「あら。通りで寒いわけですね」
「湯上りには丁度良いくらいですよ」
ねえ? とヴァイオレットが肩越しに振り返る。2人とも、先ほど露天風呂にしっかり浸かってきたためさほどの寒さでもない。少なくとも、ひんやりと冷えたコーヒー牛乳を美味しく味わえるくらいには。
「すぐ濡れるような雪でもございませんし、このまま少し歩きませんか?」
「ええ、構いませんよ」
はらはらと軽い雪は、肩についても直ぐに滑り落ちてしまう。時間が経てばしっとり冷えてくるだろうが、羽織もしているし、ほんの少しなら大したことはない。
「あとでまた温泉に入っても良さそうです。雪を見ながらの露天風呂も良いものですからね」
そう告げるヴァイオレットは純粋に雪を楽しむ、穏やかな表情で。元の世界でもこんな雪を見たことがあるのかもしれない。正純はそんな彼女の横顔を見ながら小さく笑う。
シャイネンナハトに雪の降る温泉街で2人きり。なかなか常日頃だとないことだけれど――悪くない、なんて。
※SS担当者:愁