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ヴェルグリーズの死体66による2人ピンナップクリスマス2021
ヴェルグリーズの死体66による2人ピンナップクリスマス2021
イラストSS
「……こ、これは」
「俺達が、この服を……?」
――シャイネンナハト限定香水の広告モデルを頼みたい。
ヴェルグリーズとグリムがそう依頼を受けた時、思い浮かべていたのはムスクの香るメンズラインだっただろうか。
胸元を開けたシャツだけを身に纏い、髪をかき上げながら雄の香りを――そんな幻想は、渡された服の重みに打ち砕かれる。
ヴェルグリーズは、白と深い青。
グリムは、黒と赤の――フリルがたっぷりとあしらわれた、所謂ロリィタドレス。
中性的な魅力を出したいのだとクライアントは熱弁すれど、いささかこれは「女性」に寄っている気がしてならないのだが。
いざそれに着替え、アイシャドウにリップ、ボトルデザインに合わせたネイルとアクセサリーで彩られれば――不思議と二人の気分は高揚していた。
「ねぇ、グリム殿。俺のこの香水は『別れ』で、キミのものは『出会い』がコンセプトらしいよ」
「ふむ。それを表現するのならば、自分達ほどの適任はいないだろう」
目線をカメラに向けたままヴェルグリーズが言えば、グリムもふ、と息を吐いて。
眩いストロボフラッシュの中、ふわりと二つの香りが混ざり合う。
輝かんばかりの香りを貴方に――
※SS担当者:飯酒盃おさけ