イラストSS

　外は寒いからこそ、猫は炬燵で丸くなる。
　トランプに据え置きゲーム。蜜柑はテーブルの上に鎮座する。炬燵から出たくないからこそ、のんびりだらだら過ごすのが『猫』の流儀だ。
「あー、楽しかった！」
　ごろんところがったなじみに「そうだな」と汰磨羈は頷いた。腹も膨らみ遊び疲れれば眠気が次第に襲い来る。
　一度横になれば体を起こすのも億劫だ。
「なじみ、何か飲むか？」
「んー、たまきちちゃんは？」
「……そうだなあ……」
　だんだんと会話のトーンもスピードも落ちていく。ろれつも回りにくくなってきたのは仕方がない。だって、眠いのだもの。
「クリスマス、たのしいねえ」
「……そうだなあ……」
「平和～、だもんねえ」
「……そうだ、なあ……」
　欠伸を噛み殺したなじみに汰磨羈も釣られたように小さな欠伸をした。
　――少しだけ、沈黙が落ちてから。
　気付けば二人は夢の中。夢では未だ未だクリスマスを遊び尽くさなくてはならないのだ。
　翌朝起きた時に体の節々が痛んだのはご愛敬。だって、楽しかったのだからそんな痛みは『お土産』みたいなものなのだ。


　＊SS担当：夏あかね