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エルス・ティーネのノキアによる2人ピンナップクリスマス2021
エルス・ティーネのノキアによる2人ピンナップクリスマス2021
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シャイネンナハトも間近に迫れば、ネフェルストの市も喧噪に溢れる。
露店を眺めて首を捻って、エルスはむうと唇を尖らせた。『あの人』が喜ぶ品を、と考えれば納得に至るものには出会えない。
「決まったか?」
悩ましげに俯く後ろ姿へとルカは優しく声を掛けた。エルスは首を振る。何が良いのか、中々選択するのも難しいのだ。
少し時を遡れば、寒々しい空気を扉で隔てたローレットのカウンターでルカは「仕事は?」と情報屋達に問い掛けていた。軽い仕事を熟しておこうかと考えた彼の背中に緊張を滲ませるエルスは「ねえ」と声を掛けたのだ。
「ねぇ、ルカさん。その……プレゼントの相談に乗ってくれないっ?
男性が喜ぶプレゼントってよくわからないのよね…どんなのがいいのかしら? あ、女物のアドバイスは任せてちょうだいっ!」
「そりゃ構わねえが、アニキの喜びそうなモンか……。
ま、エルスの選んだものなら(誂えるから)よほど変なもんじゃなきゃ喜ぶと思うけどな」
――アニキ、と。直ぐさまに『誰に贈るのか』を言い当てられたエルスは鮮やかなアクアマリンの眸をまぁるい色彩に帯びさせた。
宵色の髪を揺らがせ朱に染まった頬。「どうして分かって……」とは言うまい。それだけ彼との関係が深まったのだから。
ならば、思う存分品選びに付き合って貰おう。あの人が喜ぶものに出会うまで。
*SS担当:日下部あやめ