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ウルズ・ウィムフォクシーのkzgr_によるおまけイラスト
ウルズ・ウィムフォクシーのkzgr_によるおまけイラスト
イラストSS
「うぃー……おふとぅーん……!」
ねぐらの一つ、豊穣のある屋敷に帰って来るなり、着の身着のまま布団に飛び込むウルズ。今日も今日とて行き当たりばったり、行く先で起こったあれこれに首を突っ込んだり巻き込まれたり、気付けば時刻は夜更けも夜更け。くたくたに疲れ切って、そのまますとんと夢の中。
ウルズが寝入ってからしばし後。障子から差し込む月の光が、夜明けのそれに変わる頃。光を遮る影が現れ、するりと、音もなく部屋に忍び込む。
「っと……豊穣の畳は土足厳禁でしたね」
部屋に上がり込んだのは鏡だ。郷に入っては……と、脱いだ靴は片手に持って、もう片方の手には、ウルズへの贈り物を携えて。
すやすやと寝息を立てる彼女の眠りを妨げないように、そっと。その枕元に、輝く夜の贈り物を置く。
もうじき朝がやってくる。
「静かな夜がアナタを抱き、素敵な朝がアナタを迎えて」
「むにゃむにゃ……しあわせ……」
優しい夢を見ているのでしょう。親愛なる、娘のようなアナタへ。
「今日も良い事、ありますように」
そっと髪をひと撫でしてから、ウルズのねぐらを後にした。
月は沈んで、日は昇り。騒がしくも楽しく、嬉しい一日がまた始まる。
※SS担当者:白夜ゆう