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炎堂 焔のさとみによる3人ピンナップクリスマス2021
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「輝かんばかりの、この夜に!」
にんまりと微笑んだ焔につづりは「よろしくおねがいします」と一礼をした。そそぎはそわそわと身を揺らしている。
「けぇきってどうやって作るの? 焔は出来るの?」
「大丈夫だよ! ボクは去年も一昨年もケーキ作りをしてるからね、ちゃんと作れるよ!
……まぁ、どっちもお菓子作りが得意なお友達と一緒にやったんだけど、たぶん大丈夫なはず、うん!」
「……」
「大丈夫だってば、そそぎちゃん!」
信用して良い物かと言いたげなそそぎにエプロンを着用させながら焔は頬を膨らます。
膨れ面となった焔に「私とそそぎもけぇきは良く分からないから、お願いします」とつづりは緊張したように告げた。
「うんうん、一緒に作って飾り付けも頑張ろうね!
一応、作り方の本は持ってきたから手順を忘れても大丈夫」
「本、読んでおいた」
「流石だね、つづりちゃん!」
三人のケーキ作りが今始まった。数個ケーキを作って、御所に持っていく物や此方で皆と食べる物を。そうして夢広がる双子巫女に焔は慣れないながらレクチャーを続ける。
「えーっと、次はどうするんだっけ?」
「えっと、真ん中を切る」
「そうそう! 教えてくれてありがとう、つづりちゃん!」
ケーキの真ん中に切り込みを入れて、クリームと苺を挟むのだとつづりは辿々しくメモを読み上げた。
一方でホイップクリームを作る係になっていたそそぎは苦心していた。
「何、これ。出来ない」
「そそぎちゃん、ほっぺたに生クリームがついてるよ、とってあげるね!
んー、あともう少しだよ! 腕が疲れたら交代するから何時でも言ってね」
励ます焔にそそぎは「これ位なら、できる」と唇を尖らせた。
最初から最後まで。しっかりと自分でやりきって「作った」と自慢したい。
はじめてのケーキ作りを楽しむ双子巫女を見ているだけで焔もつい嬉しくなって微笑んだ。
二人にとって、まだまだ馴染みのないシャイネンナハトが楽しくて幸せな日になればいいと願いながら。
*SS担当:夏あかね