イラストSS

　――折角のシャイネンナハトだから、一緒に遊ぼうよ！

　焔の燃えるような鮮やかな眸は、何時だって楽しげな色彩であった。『酷い目』に遭うことが多くても可愛い友人の誘いをリアは無碍にはしない。
「良いわよ」と二つ返事を返して約束の場所へと向かえば、普段通りの友人がひらひらと手を振って……。

「焔ァ！！！！！」
「ち、違うんだよリアちゃん！　ボクは騙すつもりはなくて……！　本当にこんなはずじゃなかったんだよ！」
　たじろぐ焔が着用して居るのは丈の短いミニスカート。ミニスカサンタクロースの装いに身を包んでいるのは胸倉を掴まれて困惑を叫ぶ焔だけではない。非難がましくその胸倉を掴み上げたリアとてそう。
　クリスマスらしい格好をしようと微笑んだ親友の笑顔にすっかり騙（なが）されて、着用したその衣装は際どく羞恥の感情が浮かび上がる。
　白いニーハイソックスに動けばあられもなく下着を覗かせそうなスカートを気にすることなく責め立てるリアに「違うんだよ！」と焔は何度も声を上げて――それも何時も通り。シャイネンナハトの聖なる夜で変わらぬ日常は淀みなく流れて行くのだ。

　　＊SS担当：日下部あやめ