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ヴァイオレット・ホロウウォーカーのhalによる2人ピンナップクリスマス2021
ヴァイオレット・ホロウウォーカーのhalによる2人ピンナップクリスマス2021
イラストSS
「ええ、そう。それがなにか関係、ある?」
――ぶっきらぼうな物言いながらも、優しい方だとわかった。
自分のようなモノにさえ、リアは躊躇いなく近づいてきた。
善人であるリアを遠ざけようと、ヴァイオレットは彼女に冷たく接した事もあった。
けれども毅然とした態度で返ってきた。
ああ、この方は、このような台詞で遠ざかることはないのだと、ヴァイオレットは知ってしまった。あたたかい炎が灯るような嬉しさと、くすぐったい感情。そして、一抹の不安。壊してしまわないだろうかと……。
できることならば、護りたいと思った。
普段は気丈に振舞っているリアも、夢の中ではごく無防備だ。ヴァイオレットは、夢の中へと堕ちていくリアの額をなぞる。
クオリア――彼女のギフトが、彼女を苦しめる。
ヴァイオレットの細い指先が、優しくリアの目じりの涙をぬぐう。
「ええ。ええ。分かっています。……今、この場所では、ワタクシの胸の内に」
この人はこんなにも小さな身体で、この苦痛に耐えて見せるのか。人に優しくすらできるのか。
「此処は夢の領域。誰の手も届かない場所。ならば、ワタクシが……」
誰の手も届かないリアの夢の中だけは、自分が守ってみせると決意して。
※SS担当者:布川