イラスト詳細
ディアナ・クラッセンのゆまによる2人ピンナップクリスマス2021
ディアナ・クラッセンのゆまによる2人ピンナップクリスマス2021
イラストSS
自分達はどんな風に見えるだろう。
親子だろうか、兄妹だろうか、友人だろうか。あるいは、本当に――
チカチカと植木を飾るイルミネーションの通りを、トレンチコートを着た彼が歩いている。
銀色のブランドタグがついた仕立ての良いマフラーを首にまいて。
両手をポケットにいれているのは素手が寒くないようにか、それとも手持ち無沙汰なのか。
こちらを振り向いた彼――シグレ・セージが、左手のポケットから手を抜いてこちらへと翳してくる。
はぐれないように、と思ったのだろうか。
今日一日、あちこち散歩をしたり出店を楽しんだりとはしゃぎまわったから、疲れる自分を心配してか。
ディアナ・クラッセンはふと、自分の両手をそろえて口元へとやった。
白い息が温かい。
雪の空を映した水面のような銀髪や、ちょっと気の強そうな目つきのせいで誤解されることもあるが、寒いのが平気なわけじゃない。冷たいのも、ひとりでいるのもだ。
だから今日は精一杯にオシャレをしたし、昨晩のわくわくを抑えながらよく眠りもした。
楽しみにしていた今日のために。
そんな今日も、もうじき終わるのだが。
「今日は一日楽しかったわ」
終わりを思いながら、けれど彼の横に立つ。腕をきゅっと抱くようによせて。
「けれど、だいぶ冷えちゃったから……」
どう見えてもいい。このぬくもりが、腕の中にあるから。
「帰ったら、なにか温かい物でも飲みましょう」
担当GM:黒筆墨汁