イラスト詳細
さくらとの、クリスマス、する。
さくらとの、クリスマス、する。
作者 | A-saku |
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人物 | カルウェット コーラス さくら |
イラスト種別 | おまけイラスト(→元発注イラスト) |
登録されているアルバム | |
納品日 | 2021年12月24日 |
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イラストSS
白雪に混じり、桜の花弁が儚げに散っていた。
豊穣の南方にある忘れ去られた山の中。
桜の古木の枝の上に桜色が二人並んでいた。
眼下に見下ろす豊穣は海洋文化に影響されたのか、はたまた主たる霞帝の誕生を祝う為か。夜も更けてきたと言うのに鮮やかに光り輝いている。それを肴にさくらが杯を煽った。
「少しばかり眠っている間にこの國も随分変わったねぇ」
「そう、なのか?」
「そうだとも」
短く応え、また杯を煽る。
蟒蛇に飲み干された酒は今の一杯で何本目だっただろうか。その様を見つめるカルウェットに気が付き見てみると、好奇心を抑えきれないヴァイオレットモルガナイトの双眸が煌めいていた。
「そんなに気になるのか?」
「それ、おいしい、のか?」
「あぁ、酒を飲んだことがないのか」
さくらはカルウェットに杯を持たせ、酒を注いでやる。雫からふわりと甘い香りが鼻腔を擽った。
促す様に頷いたさくらの顔と杯を交互に見比べたカルウェットは並々と注がれた酒を溢さぬように慎重に口を付けた。
甘い。それでいて頭の奥がくらりとする。
「美味しい? けど、変な感じ、が、する」
「それが酔いというものだ」
初めての酒は季節外れの桜の匂いがした。
※SS担当者:白