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『ちょっと! 聞いてますかたまちゃん!』
『ちょっと! 聞いてますかたまちゃん!』
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●こたつでシャイネン ~愚痴流し編~
シャイネンナハト――輝かんばかりの夜だが、豪華なディナーを食べに行かずとも、友と家でのんびり過ごすというのも楽しいもの。
大きな炬燵で二人並んで足を伸ばし、ぬくぬくぽかぽかしながらTVでクリスマス番組を見、あそこ知ってますよーなんて話ながらケーキを食べ、和やかに過ごすのだ。
……そう、そのつもりではあったのだ。
――ダンッ!
すずな(p3p005307)が音を立てて酒の入ったグラスを炬燵の天板に叩きつけるように置いた。残る片手には『女王』と銘打たれた一升瓶。グラスの中身が無くなれば、いつでも自分で注ぎ足せる。
「大体ですねぇ、たまちゃんはあの時もわたしをからかって!」
「ああ、うん。あれは私が悪かったな」
かなり出来上がっているすずなに、仙狸厄狩 汰磨羈(p3p002831)は自身の手にしたお猪口に酒を足しながら相槌を打つ。
「わたしはわすれてないんですよぉ!?」
うんうんと汰磨羈は相槌を打ち――聞き流す。そろそろ酒を取り上げた方が良いような気もするが、こうして愚痴を聞いてやって鬱憤を晴らさせてやるのも友人の務めだろうか。
「ちょっとたまちゃん! ちゃんと聞いてます!?」
「聞いてる聞いてる」
「本当に聞いてます!?」
汰磨羈は困ったような笑みを浮かべながら、うんうんと相槌を打つのだった。
嗚呼、やはり冬は熱燗に限るな。
※SS担当者:壱花