イラスト詳細
天すら焦がす、最強の星
天すら焦がす、最強の星
イラストSS
――シャイネンナハト。この世界において、戦いを禁じられる日。
「闘争無き平和な日――オレには所縁無いと思っていたのだが。オレは一つ、気付いたことがある」
一年にたった二日の、聖女の祈りが満ちる日。赤く、熱く燃ゆる火を鎧の穴から覗かせるウォリアの低い声に、カイトは何事かと視線を送る。
「どうしたどうした、一緒に過ごしたい人でも出来たのか?」
「――過ごす者は居る。しかし、違う。最強の存在について、だ」
ウォリアの伸ばす指のの先には、高く聳えるツリーの頂点の星。
「あれこそ頂点。最強の存在」
「はい?」
「オレは星になる――カイト、協力を頼む」
「はい?」
ああ、この鎧さん話脳内で解決してるな――カイトは観念し、目を閉じる。
「やっぱりこうなりますよねー!?」
聖夜の空に、カイトの叫び。その腕の中に燦然と輝くのはウォリアinオーナメント。大きい。ものすごく大きい。
広場のツリーに輝く小さな星を取り去り、何回りも大きいウォリアの星を飾る。
「俺、中々いい仕事したのでは?」
満足そうに鼻を鳴らすカイトを眼下に、ウォリアも通行人を見降ろして。
(この景色――最強の証)
夜空に輝く一等星は、燃ゆるように煌いていた。
※SS担当者:飯酒盃おさけ