イラストSS

「うーん……」
　ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル（p3p008017）は悩んでいた。それはもう、どうしようもないほどに悩んでいた。
　本日は待ちに待った――ことは嘘ではないのだが、今の状況だともう少し待って欲しかったシャイネンナハト。プレゼントを用意するにはもはや後がない。
「ブレンダさん、さっきから視線が彷徨ってますけれど」
「いや、だってなぁ……」
　助っ人、リア・クォーツ（p3p004937）は既に想い人へのプレゼントが決まっているので余裕綽綽である。正直羨ましい。
　別に前々から考えていなかったわけではないのだ。ネクタイだろうか、時計だろうか、いや無難にハンカチとか――なんて悩み過ぎた結果、決まることなく当日を迎えてしまっただけで。
「今悩んでいる中なら……あれとかいいんじゃないですか？」
　リアが指し示した腕時計のコーナーへ視線をやるブレンダ。ショーケースに入った複数のそれらにまた目が泳ぐ、泳ぐ。
「リ、リア殿……」
「最後に決めるのは自分ですよ」
　ぐうの音も出ない。そうだ、他人に任せきりは良くない。気に入られなかったからって他人を免罪符にしてはいけないし、何より自分が選んだもので喜んで貰いたいじゃないか。
　そうして、悩みに悩んで決めたプレゼントは――。


　※SS担当者：愁