イラストSS

　ぺちん、ぺちん、ぺちん、ぺちん。
　シャイネンナハトとは程遠い、肌が叩かれる音が響く。

「ひうっ！　な、なんだか去年のよりも痛いのに、気持ちよく、ひゃうっ！」

　叩かれているのは焔の方で、すずなはぺちぺちと焔のお尻を叩いていた。

　こんな状況になってしまったのは、そもそも焔が「叩かれても痛くなくて気持ちよくなっちゃう鞭」の宣伝の仕事を受けてしまったのが原因。
　すずなはそろそろ学んで欲しいと怒ったのだが、まあまあと窘められて結局叩き合いへと発展することになってしまった。

「依頼のお話は！　最後まで！　聞いてくるって！　学んで！　ください！」

　鬼気迫るような表情で焔を叩き続けるすずな。
　段階を踏むような叩き方に思わず可愛らしい声を上げた焔。
　シャイネンナハトという聖なる日が誤解されそうなやり取りが繰り広げられていた。

「はぁ、はぁ……よし、もう終了ですね」

　ようやく終わった。さあ帰ろう！　と準備したのも束の間。
　焔の手に握られた鞭が、ゆるりとしなる。

「さぁ、次はすずなちゃんの番ね♪」
「……え？」

　――とんでもない言葉が聞こえた。
　いやいや、もう終わったんだからいいでしょうとすずなは嗜めるも、焔は構わずにその鞭を振り下ろした……。


　※SS担当者：御影イズミ