イラストSS

●Books market coming!!

「マルクさん？」
「あぁ、リンディスさん。輝かんばかりのこの夜に」
書棚から振り返ったマルク（p3p001309）にリンディス（p3p007979）も微笑みながら聖夜の挨拶を返した。
本好きの二人がこの場所で出会うのは偶然だったが、ある意味必然でもあった。
賑わうクリスマスマーケットの一区画に設けられた巨大な古本市。
幻想だけではなく各地から取り寄せられた数多の書物達は、プレゼント用に仕入れられただけあって装丁も美しく立派なものが多い。
その品揃えは通りがかった書籍愛好家を呼び寄せて離そうとしないほどだ。
「マルクさんもお買い物ですか」
「うん。少しだけ覗いて帰るつもりだったんだけどね、ご覧の通りだよ」
「その戦術書、ずっと探していらっしゃいましたものね。おめでとうございます」
「ありがとう」
気恥ずかしそうにマルクが本を見せるとリンディスは鈴のように笑った。
「実は私も探している本があるのですが、数が多くて……」
「なら僕も一緒に探すよ、目は多い方が良いからね」
「ありがとうございます！！」
微笑み合った二人は、再び書の迷宮に相対する。
「この本なんてどうかな」
「あ、その本も良さそうですね！」
果たして時間短縮はできたのか。それは二人だけの秘密である。


　※SS担当者：駒米