イラストSS

「えぇ！？　ど、どういうことですか！？」
　店内にノエミの声が響き渡る。幸いまだ店は開店前。それもそのはず、シャイネンナハトに売り子の手伝いをしてくれと頼まれ今はその準備中。ノエミの衣装合わせが終わったところであった。
「これが流行りなんですか……？」
　大きく太ももが露出し、鼠径部まで見えているサンタ風レオタード。オフショルダーで肩もばっちり。それが店長に流行りの衣装だと騙されノエミが着せられた今日の装い。もちろんそんな流行りは存在しない……多分。
　いつものノエミであればこんな服は絶対に着ないがこれも依頼。恥ずかしいなどと言ってはいられない。落ち着くために深呼吸を二度、三度。しかしやっぱり恥ずかしい。
　そんな中ルーイはルーイで自分用に用意されたトナカイの衣装がお気に召したのかご機嫌にノエミの髪を甘噛みしていた。

「うぅ……」
　残酷だが時は止まらない。いつの間にか時計の針は開店の時間を指示していた。
　来店のベルが鳴り、店の扉が開け放たれる。ここでノエミは覚悟を決めた。
「いらっしゃいませ！」


　※SS担当者：灰色幽霊