イラストSS

　恋人たるもの彼シャツはナウなヤングのトレンド！
　ノリア・ソーリア（p3p000062）は取り込んだ洗濯物のなかから、ゴリョウ・クートン（p3p002081）の大きな黒いTシャツを取り出すとぎゅっと抱きしめる。
　洗いたての洗濯物の香り。
　ふふふ。とノリアは笑うと衣装を脱ぐ。
　素肌で彼を感じたかったのだ。
　大きなTシャツに腕を通す。
　半袖なのにまるで七分丈だ。
　まるで、まるで彼に包まれているかのような気分になる。
　なんて、なんて幸せ。
　はあ。
　こんな幸せがずっと続けばいいのにと思う。
　そりゃナウなヤングの間で彼シャツは流行るはずだ。
　透明なしっぽがぺちぺちと自然に畳を叩く。
　嬉しさがこみ上げてくるのだから仕方ない。
　ほう。と頬が赤くなる。
　世の中のみなさん！　今わたしは幸せですと駆け回りたい気分だ。
「おーう、ノリア、洗濯物は――」
　がらりとふすまがあけられ、ゴリョウが部屋にはいってきてぎょっとする。
　素肌にTシャツのみ、赤く染まった頬は夕日だけのせいじゃない。
「あ、ゴリョウさん……しあわせです」
　ゴリョウは急いで縁側の障子をピシャリと閉めてノリアを着替えさせると正座させる。
「こういうのは誤解を招くから駄目！」
　なぜ怒られたのかわからないノリアは目をパチクリさせながらもしゅんとする。
（事後みたいにみえるだろうが！！）
　それはそれとして、恋人が可愛いとおもったことは心のそこにしまっておくゴリョウだった。


　※SS担当者：鉄瓶ぬめぬめ