イラスト詳細
デイジー・ベルの黒猫による2人ピンナップクリスマス2021
デイジー・ベルの黒猫による2人ピンナップクリスマス2021
イラストSS
冬の温泉は寒さと温かさが同時に味わえる楽しいものだ。
お湯に浸かった部分は熱い程なのに、冷えてくる肩は鳥肌が立つ。
じんわりと火照る頬がやけに熱いのはどうしてなのだろう――
龍成とデイジーはその日、簡単なクエストを受けた。
温泉の効能を試す依頼内容。
ついでに宿泊も出来るとあれば、受けない選択肢は無かった。
されど。
通されたのは所謂『家族風呂』というやつで。
男女が別れているわけでもなく一つの温泉に一緒に入るものだった。
別々に入れば良いと思うかも知れない。
けれど、同時に入って効能を試すというのがクエストの内容だ。
「ほら、さっさと入るぞ」
「ちょっと待って下さい、龍成。タオルは禁止です」
「は? 何で?」
「効能が正しく効かないかもしれないので」
タオルを巻いたデイジーが先に温泉の縁に立つ。
はらりと落ちたタオルの下に現れる肌に目を逸らす龍成。
「仕方ねぇな」
悪態を吐きながらデイジーを追いかけて温泉に浸かる。
ちらりと横目で親友を見遣れば、頬が真っ赤に染まっていた。
「おい、大丈夫か?」
「いえ問題ありません。正常です」
ぐるぐると目を回すデイジーの頭が横に倒れ沈んで行く。
龍成は親友を慌てて拾い上げ、小さく溜息を吐いた。
*SS担当:もみじ