イラストSS

　嗚呼、最悪だ。せっかくのシャイネンナハトがこんな悲劇になるだなんて、想像すらしなかった。 シャイネンナハトの夜、心の中で嘆きに嘆いているのはサンディ。
　そのサンディの隣、というかのし掛かっている嘉六。
　たまたま隣同士、それだけで酔っ払った嘉六に愚痴絡みされているサンディだった。
「今日約束してたのによぉ～～～、本命ホストから呼ばれたってなんだよそれぇ！ なあ？！」「ああそう……」
　サンディは返事すら億劫になっていた。解放されたい欲が全身から滲む。 聞いてるのか、と据わった目で顔を覗き込んでくる嘉六の顎を力いっぱい押し戻す。
　サンディとしては美女なら良かったのに、実際は男の相手、苦痛だ。
　結局サンディは嘉六から逃げ切ることが出来ず、騒いだかと思ったら急に眠った嘉六をズルズ ルと引き摺って店を出たのだった。
　まったく最悪なシャイネンナハトであったと、サンディは薄明かるい空を睨んだ。


　※SS担当者：桜蝶 京嵐