イラスト詳細
咲々宮 幻介の奏多による2人ピンナップクリスマス2021
咲々宮 幻介の奏多による2人ピンナップクリスマス2021
イラストSS
ブラウンライトに照らされた室内に、ジャズが流れるお洒落なバーのカウンターで暁月と幻介はグラスを傾けていた。
「たまにはこういうのも悪く無いだろ?」
「そうだね。幻介が此処を知ってるとは……廻に聞いたかい?」
廻が好んで訪れるこのバーは静かで落ち着いていて居心地が良いのだ。
「まあな。この前教えて貰ったんだよ」
幻介が傾けるグラスは水とウィスキーが二層になったもの。フルーツやハチミツの香りが強いアルコール度数の高いウィスキーが合うらしいが、幻介はあえて泥炭の香りがするシングルモルトをチョイスする。
鼻に抜ける泥炭と樽の香りが好きなのだ。
シェイカーを振るマスターがウォッカベースのカミカゼを暁月の前に置く。
最近ではカクテル言葉なんかが付けられているらしい。
何事にも込められた想いがあるということなのだろう。
――『楽しい関係』と『貴方を救う』
マスターが教えてくれたカクテル言葉を反芻しながら暁月と幻介は言葉も少な目に同じ時間を過ごす。
自分が犯した罪や痛みを分かち合うのは、語る言葉では無く、隣に居ても良いという無言の許し。
過去を変える事が出来ないのなら、せめて未来を夢見ていたい。
そんな感傷と共にグラスを傾けるのだ。
*SS担当:もみじ