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伊達 千尋のsimaによるおまけイラスト
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イラストSS
どうしてこんなことをしているのだろう、と問われれば、わからない、と答える。
どうしてこんなにも心が震えるのだろう、と問われれば、わからない、と答える。
怖いのか。寂しいのか。恐ろしいのか。愛おしいのか。
わからない。もしかしたら、わからない、というそのことすら、強がりなのかもしれない。
本当は、わかっているのだろうか。そんな風に考える。ああ、そうさ、わかっているのさ。
ふと感じた寂しさ。細い方、聖夜の夜の中に消えてしまいそうなくらい、儚い貴女のシルエット。
夜闇の中に、貴女が消えていくようで……。
繋ぎとめておきたくなったんだ。
繋がっていたくなったんだ。
後ろから抱きしめる、貴女の身体。びっくりしたように、俺の腕に重ねた貴女の手は、いつも通り、優しいほどに荒れていた。
貴女の優しさの証。貴女の綺麗さの証。貴女の心の証。赤く、ガサガサと乾燥した、貴女の美しい手。
本当は、その手を取って、俺の頬へと導きたい。その腕で、俺を抱きしめて、どこにもいかないよ、と言ってほしい。
でも、それはできない。ちっぽけなプライドは、最後の最後で、貴女に甘えるのを許さない。
けれど……だけれど……。
どうか今夜は、このまま、傍にいて欲しいんだ。
*SS担当:洗井落雲