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御天道・タントのsimaによるおまけイラスト
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イラストSS
「はぁ、はぁ……」
ジェック・アーロン(p3p004755)はただひたすらに走っていた。息を切らして走り続けていた。
「うわっ、とと……」
冬の道には障害が付き物で、道端のお花を飛び越えて、ほっとした矢先に電柱にぶつかってしまったりもした。それでも気合を入れて立ち上がり無我夢中で過ぎ去る景色にも目もくれずに。
「っ……、まだまだ……!」
「ひゃっ、わわっ! とと……ふぅ……」
時を同じくして御天道・タント(p3p006204)が走る姿も見かけられた。お嬢様のような風貌の彼女にしては一生懸命に。ひらりと彼女の横を舞う蝶に目を奪われたり、道端に突然現れた蛙を飛び越えようとして転んだりもしたが、すぐに立ち上がって駆け出す。
「はぁはぁ……負けませんわー!」
輝かんばかりのこの日。
お互い友人は多いが、この日ばかりは会いたいと思う相手は一人だけ。どんなに遠くにいても会いたいと願うのは……あなただけなんだ。
願い思い馳せながら走る。走る。
「ジェック様ーーーー!」
「タントーーーー!」
見えてきた愛しい陰にお互い思わず笑みが零れる。ああ、ずっとずっと待ち焦がれていた瞬間だ。
二人は走ってきた勢いをそのままに思いっきり抱きついた。そこにある愛しい温もりを喜び合うかのように。
※SS担当者:月熾