イラスト詳細
恋屍・愛無のキロンによる関係者1人+PCピンナップクリスマス2021
恋屍・愛無のキロンによる関係者1人+PCピンナップクリスマス2021
イラストSS
ラピスラズリをビロードの夜空に散りばめて。
満天の夜空から降り注ぐ聖夜の星々にしゅうは目を輝かせる。
「わぁ! すごいね愛無! 空にこんなにも星が敷き詰められてる!」
「そうか、しゅうは希望ヶ浜の空しか見た事がなかったか」
愛無は肉を火に掛けながら、焼き加減を調節していた。
「うん、モニターに映った空しか知らない。本物の空って初めて見たかも。ここが愛無の故郷なんだね」
「そうだな。この世界に来てからこのラサでルウナに出会った」
怪生物(モンスター)だったものが色々な事を教わり、愛無(にんげん)になった。
「名前も貰った」
「ふぅん? じゃあ僕と同じだね。僕も愛無に名前を貰った。ルウナは僕のお婆ちゃんだ?」
「本人が聞いたら、斬られるなそれは」
まあ、もう居ないがと愛無は続ける。
自分でルウナを喰らい。一つになった。さよならではなく、自らの糧とした。
それが暴食たる怪生物の矜持。
「愛無寂しい?」
「さあ、どうかな」
寂しさは愛無には分からない。けれど、少しだけ声が聞きたくなる事がある。
これが寂しさなのだろうかと愛無は揺れる火をじっと見つめる。
「僕が居るから大丈夫だよ」
「それは頼もしい」
独りでも生きて行ける。
そう思っていたのに、時々自分が分からなくなるのだ。
*SS担当:もみじ