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アレクシア・アトリー・アバークロンビーのうみちょすによる2人ピンナップクリスマス2021
アレクシア・アトリー・アバークロンビーのうみちょすによる2人ピンナップクリスマス2021
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アルティオ=エルムの象徴を望むアンテローゼ大聖堂。
神官見習いの形で手伝いを申し出ているアレクシアはその日、多忙を極めていた。諸々が終了したならばパーティーをしようと声を掛け合ったのも数時間前。すっかり遅くなってしまったとアレクシアは飾られた時計を見上げ――
「お疲れ様。今日は大忙しだったわね」
穏やかに微笑んだのは司教フランツェルであった。ランタンに灯りを灯し、必要な資料だけを抱えた彼女も雑務諸々を出来る限り早く終わらせたのだろう。神官の衣服ではなく私服に着替えている辺り『もう働きません』の意思表示なのかもしれないが……。
「フランさん」
「アレクシアさんも遅くまで付き合わせてごめんなさいね。
もう仕事はしませんって気持ちを全開にしてある程度の作業は明日に回したからルクアの所に行きましょう」
きっと料理を用意してアレクシアが来ることを待っているのだとフランツェルは幻想種の少女を思い浮かべて笑った。
車椅子を器用に駆使するアレクシアの友人は二人のためにパーティーの準備をしてくれているのだという。
「遅いって怒ってるかな?」
「きっとね。けど、来てくれたって安堵するのよ」
彼女の事を思い浮かべてから二人は顔を見合わせて帰路を急ぐ。本当に叱られる前にただいまを伝えるために。
*SS担当:夏あかね