イラストSS

　キラキラとシャンデリアから降り注ぐ光が跳ねた。
　丁寧に磨かれた机の上で、冷やされた涼やかなグラスで、そして美しくも艷やかな金糸と白糸の上で。
　金と珊瑚、違う彩を持つ色違いの装いに袖を通した麗人たちが、ツ、とあなたへと視線を送った。
　金はキリリと涼しげに、珊瑚は眇めて冷徹に。
　温度の違う彩を前に息を呑むあなたへ、黒を纏う麗人――ブレンダ・スカーレット・アレクサンデル（p3p008017）は手を差し伸べる。
「どうぞ、お手を」
　貴殿の席は用意してあると告げる声は、女性のもの。
　女性らしさを覆い隠す色違いの憲兵服は、少し窮屈そうだ。
　そう、ブレンダとナターシャ＝アルバトフ（p3p007778）はこの聖夜の夜に、ひとときの夢を供する手伝いをとある店で行っているのであった。
「……少し来るのが遅かったね」
　冷たい視線に冷えた声は、まるであなたを責めるよう。
　けれど眉尻を下げたあなたの手を軽く引いたブレンダは、素早く顔を寄せる笑み混じりの言葉を耳元へと落とす。
「貴殿に早く会いたかったのに会えなくて、拗ねているのだ」
　ナターシャに睨まれるより先に、ブレンダはあなたを席までエスコート。
　ワインクーラーにはよく冷えたシャンパン。
　三人分のグラスが光を弾きながら、今か今かと手に取られる時を待っている。

　――輝かんばかりのこの夜に。
　　　聖夜の夢を、あなたへ。


　※SS担当者：壱花